日本酒と健康

消費者の日本酒に対するイメージを独立行政法人酒類総合研究所の宇都宮先生がまとめたところによると、「カロリーが高い」1位!「二日酔いになりやすい」1位!「糖尿病になりやすい」1位!「頭が痛くなりやすい」1位!「気持ち悪くなりやすい」1位!となったそうだ。「健康に良いとされる成分が含まれる」という項目もあって1位はワインとなっている。日本酒はその足元にも及ばない位置にいる。日本酒に対してはマイナスのイメージがとても強い。果たして本当にそうでしょうか?

新潟大学が行ったラットを用いた実験では、飲酒によって「ストレスの軽減」「痛みの軽減」という結果が出ているようだ。そして節度ある飲酒はQOL(生活の質)も向上させるという。だがその「節度ある飲酒」のレベルはどの程度なのか。それはアルコール量/日で20gが適量らしい。つまりビールで500ml、日本酒で1合というところだろう。なんとも言い難い量だが、この嗜む程度の飲酒は幸福感を増し、生きがいを感じやすくなり、人とうまくやっていく上で、飲酒しない人より良い結果が出ているらしいのだ。

さて、飲まないより飲んだほうがいい!ということが分かったわけだが、アルコールの中でもなぜ日本酒なのか!という問題だ。ビールやワインには少なく、日本酒には比較して多く入っている物質にα-EG(エチルグルコシド)があり、これが肝臓保護作用、コラーゲン産生促進を促すともいう。難しい話だが簡単に言えば日本酒はいい!ということになりませんか。ご存知のように日本酒の消費量1位の県は新潟であり、2位に秋田、そして上位に東北地方がランクインしている。そしてどうだろう肝臓病の発生率は新潟や東北地方で著しく低いのだ。これはもう日本酒の神秘でしょう。

だいぶ前のめりの話になってしまったが、勿論万人がアルコールで幸福なるわけではない。アルコールを分解するには個人差があるわけだが、その話はまた別の機会にしよう。